飛島しあわせ物語

とにか新聞 平成25年3月5日号

第六号

 こんにちは、飛島から日本を変える会(略称とにか会)の「とにか新聞」です。
 東北大震災から、もうすぐ2年になります。本村では、避難所を建設しようとしています。建設費が総額50億円を超える事業であります。今回は、これについて、考えたいと思います。
 「一村民として疑問に思うこと等」を書き出してみました。

第一節 なぜ、そんなに急ぐのか

 「なぜ、そんなに急ぐのか。」急ぐ理由を村長に聞きたいものであります。その理由として、議会だより(2月1日発行)に国の交付金を受けたいため、平成24年度中に建設予定地を決定する必要があるため、また、平成25年度から基本設計等を手掛ける必要があり、この交付金は、平成27年度までとなっている旨の答弁をしています。
 これは、詭弁(きべん)であります。言い訳、こじつけであります。特に、「この交付金は、平成27年度までとなっている」この答弁が、詭弁(こじつけ)であります。この交付金の元である第3次社会資本整備重点計画(この計画は、平成24年8月31日閣議決定されています。)の計画期間は、平成24年度から平成28年度であります。これにあるように、最終年度は、平成28年度であります。村長は、自分の都合のいいように、答弁しています。
 ここで、再度、村長に聞きます。なぜ、そんなに急ぐのか。交付金以外にも、「何か他の理由が、あるのではないか」と疑うのは、私だけでしょうか。
 12月議会でも、3人の議員が質問しています。二人は、撤回、見直しを主張し、もう一人は、住民の理解を得て行えと言っています。このように、議会のなかですら、理解が得られない状態で、拙速(せっそく)に建設を急ぐのは、理解できません。

 また、避難所を建設することに、反対はしませんが、地区(住民)においても十分な説明があったかといえば、該当地区に、1・2回あった程度であります。利用する村民の意見も十分に聞かず、建設するのは、いただけない。十分に地区(住民)と協議してから行うのが、本来の姿であります。当然、時間がかかるのは、当たり前のことであります。

第二節 なぜ、今なのか

 「なぜ、今なのか。」これも、理解に苦しみます。
 飛島村が取りまとめた防災に関する資料(飛島村HPで公開)の津波シミュレーション結果に、本村の津波の高さは、最大で4.0mであると記載されています。海岸堤防の高さは、6.0mであります。これだけみれば、津波は海岸堤防を超えません。この避難所は、地震、災害時のみに役に立つ無用の長物であるということが、分かっていながら、緊急に避難所8か所を建設しようとしています。
 四国、紀伊半島等の太平洋沿岸地域は、地震が発生してから、すぐに津波が押し寄せてきます。その地域では、緊急性があり、早急に避難所を建設するということであれば、理解できますが、太平洋沿岸地域と伊勢湾の奥の本村とは、緊急度、危険度が明らかに違います。
 その本村で、議会との協議が十分でなく、地区への説明も不十分である今、なぜ、急いで建設しなければいけないのか。理解に苦しみます。

 総額50億円超の費用がかかる事業は、議会及び地区(村民)との調整をしっかり行って、皆さんが納得するものを建設する必要があります。議会、地区とも十分協議をせず、見切り発車で行うことは、あまりにも横暴、強引すぎます。施設は、一度作ったら、やり直しがききません。

第三節 なぜ、7億円なのか。課題設計ではないか

 避難所の設計額が約7億円(1棟当たり)。目が点になります。この金額にも、「何か他の理由が、あるのではないか」と疑うのは、私だけでしょうか。
 日々、人が住むわけでもなく、不特定多数が訪れるわけでもなく、単に避難所であれば、過大設計であると言わざるを得ない。税金のムダ使いになる恐れが大いにあります。

第四節 建設場所は適当なのか

 避難所の建設場所もよく検討する必要があります。村有地があるから、そこに建設するでは、安易すぎます。
 服岡地区の場合、田んぼの中の児童遊園に建設するとの計画であります。ここで本当に、大丈夫なのか、液状化の影響をもろに受けないか、非常に心配であります。場所選定をもっと慎重にすべきであります。

第五節 地震の震度・液状化はどの程度になるのか

 地震の震度の予測結果は、本村全域で6弱であり、家屋被害が甚大であると予測しています。また、液状化は、本村全域でほぼ極めて高いと想定しています。
(飛島村HP「防災に関する資料」から)
 液状化は、見た目以上に、大変であります。液状化対策の避難施設(免震避難施設)を考えることも必要かもしれません。

第六節 津波の高さは最大で4.0mとされる

 津波シミュレーション結果の中で、津波の高さは、最大で4.0m、到達時間は、早くて90分であります。また、海岸堤防(高さは、6.0m)が健全である場合、津波による浸水はごく一部に留まると予想しています。海岸堤防が機能しない場合、浸水域は村内全域に及び、浸水深は、2.0m~3.0m以上に達します。
(飛島村HP「防災に関する資料」から)

 要するに、海岸堤防が機能すれば、津波は超えません。早急に行うことは、国、県に働きかけ海岸堤防を強化することであります。
 また、現在は、伊勢湾台風時に比べ、海岸堤防が直接、海に面している場所は、少なく、海岸堤防がずたずたになり、最悪のシナリオになる可能性は低いと思われます。

第七節 暴走する村長へ申し上げます

 久野村長は、昨年の村長選挙で当選しましたが、すべての有権者が信任をしたわけではありません。総額50億円超の事業であれば、村長一人で暴走せずに、賛否の住民投票を行ったら、いかがですか。それを参考にして、決定しても遅くないと思います。単年度の一般会計の予算に相当する莫大な金額でありますから、もっと慎重に行うべきではありませんか。
 村民の皆さん、村政に関心をもちましょう。関心を持つことが、住民サービスの向上になり、ムダ使いの防止にもなるのであります。
 最後に、これを読んでご意見等がありましたら、お寄せください。

※「とにか」とは、飛島の「と」、日本の「に」、変えるの「か」の頭文字をとってつけた名称です。「とにか会」は、身近な地域から、暮らしを見つめ直し、村民の幸せを追求する村づくりを目指して、運動を展開していきます。

飛島から日本を変える会代表 八木敏一

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村民のみなさんを幸せにをスローガンに 飛島から日本を変える会 代表 八木敏一のプロフィール 1953年 飛島村生まれ 飛島村立小中学校を卒業 愛知県立松陰高等学校を卒業 1971年 飛島村役場に就職 2011年 同役場を退職 プロフィールを閉じます